マダガスカルでカラヲステル

マダガスカルでのインターンブログ

青の炎-生命が燃える感覚-

 

大事な看板は真っ黒なのに縁石を丁寧に泡立てながら手洗いする。“なんで私を呼ぶの?で、注文は何さ?”レストランでスタッフを呼ぶと強めに怒られる。車のナンバープレートに手書きの数字が並んでいる。タンクトップの男性がニット帽を被っている。何も通達なく水が二日止まる。外人というだけで金銭を狙われる。道路が車一台分くらい大きく陥没している。お金をあげなかったら物乞いに文句を言われる。秒針が重力に逆らえない時計が売っている。正しい鍵なのに手ごたえが無く永遠に回り続ける鍵穴がある。スーパーで売っているお菓子は既に開いていて中身が食べられている。大臣がキャバ嬢っぽい。バスで膝の上に座られる。渋滞が凄まじくて歩く方が早い。ハエがでかい。体重を測ることで生計を立てる人がいる。水道管が破裂して水が噴き出している道がある。うかうかしていると普通に車に轢かれそうになる。乞食がしつこい。食堂で出てくるお皿とコップがびちょびちょ。気分次第でバスに乗せてくれない。席の隣が鶏。

 

数えだすときりがないくらい、この国は違和感を覚えることが多くて不自由なことが多い。でもなんでだろうか。この国のことを嫌いになれない。優等生よりも手のかかる子供の方が可愛がってしまうように、面倒ばかりのこの国に愛着が沸いてしまった。

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3ヶ月半という時間があっという間に感じたのはそれほど充実して日々であり、時間を忘れてこの国に没頭してしまったからであろう。一から十まで全ての面倒を見て頂き、可愛がっていただいた社長にはなんと感謝したらいいのか、僕のことを“My son”と呼んでくれ底抜けの優しさで包んでくれたホストマザーに何と感謝したらよいのか。困った時にいつも助けてくれた友達やスタッフに何と感謝したらよいのか。僕の拙い言語化能力では上手く言葉に出来なくてもどかしい。振り返ればいつも同じことをここに書いていて、いつも同じことを思っていた。優しさが本当に身に染みた。

 

この三ヶ月半の深く記憶に刻み込まれた鮮やかな日々を言葉で象るならば、それは“青の炎”だ。赤の炎は火の象徴的な色でありメラメラと大きく揺れるが、酸素が不足し完全燃焼とは言えない。対照的に青の炎は淡々とそして確実に、完全燃焼して高温でかつ燃えカスを残さない。自分のインターンとしての活動は完全燃焼とは程遠いものだったかも知れない。至らぬところばかりでお世話になった会社に残せたものは限りなく少ない。ただ、マダガスカルの酸素を胸いっぱい吸って、自分の命を燃焼させた気がした。感動も落胆も、喜びも悲しみも自分の五感を遮ることなく命を完全燃焼させ青の炎を灯した気がした。

 

“生きてて良かった”と思える瞬間を作り続けることが詰まるところ、生きるという意味なんじゃないかと思っている。何か大きなことを成し遂げた時に感じる達成感であったり、身近な小さな幸せを見つけて感じる満足感であったり、それらの全ては生きてて良かったと思える瞬間へと繋がり、明日を迎えることを肯定してくれる。マダガスカルは僕にとってまさにそれの連続であり、忘れられない出来事や欠けがえのない人々に出逢うことが出来た。何とも言えない温かな感情が胸に残った。本当にマダガスカルに来ることが出来て良かった。

 

忙しい社長には決して作れない、文化にないマダガスカル人には決して作れない、僕にしか出来ない表現で朝になるまで折り紙を折り続けた。感謝の気持ちを込めて。

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アタリマエの定義を探しに…

Malaza Societe General